Happy Birthday!! 河上万斉 5/20




*頭の悪いヒロイン。基本会話多し。「」付いてない。読みづらいかもしれません。


ついこの間、彼氏できたんだよ。


ほおほお、誰よ


万斉くん。


ぶっ!!


あ~!汚いよ銀ちゃん!


だってよォ…なんであいつなわけ?


好きだから!


いや…そうじゃなくて…


? 何でつきあったかでしょ?


そうじゃなくて…あー、もういいわ、質問を変えよう。あいつの、どこが好きなんだ?


え?えっとねェ…面白いとこ?


ちゃんちゃん?面白いの意味分かってます?


わかってるよ?



あいつのどこが面白いわけ…


えぇ?面白くないかなぁ?


っつーか、あんま話さねぇかんな…でもアイツがギャグとか言ってたらきしょいわ


え~!面白いよ!だってあの顔で、ふとんがふっとんだとか言ってるの想像してみなよ!


…確かに、ある意味面白いかもしれん。が、しかし、おまえの言う面白いはそういう意味なのか?


うん、そうだよ


別れた方がよくね?


なんで?


なんでってお前…それ完全にアイツのことおちょくってるだけたろ


そんなことないよ!私の気持ちは真剣だよ!


いやいやいや…あの話のどこをどうしたら真剣なんだよ…


え~!だって!ふとんがふっとんだ、みたいな寒いギャグ許せちゃうのってすごくない?


いやまぁ…そうかもしれねェけど…


私、万斉くんがいうなら何でも面白く聞こえるの!それにあんなステキな曲作っちゃう人なんだから、センスあるもん!間違いないもん!


曲?


あー、(いっちゃだめだった!)な、なんでもない!なんでもないよ銀ちゃん!


はぁ?今確かに曲つくるっつったよな


い言ってない!いってないよ!


いやいっただろ


いいい言ってないってば!銀ちゃんのばか!


はぁ?お前な…





…あ、万斉くん!


もう帰るでござるよ


う、あ、うん!


先生さようなら


あ…え?あ、おぅ… って、ちょっと!さっきの話は?


詮索無用でござる


いやいやいや!めっちゃ気になるんですけど!夜も眠れなさそうなんですけど!


なら眠らなくていいでござる。それより拙者たちは用があるので…失礼する


え?万斉くん…用って?


*


用、の答えをもらえないまま、ずるずる引きずられてやってきた3Zの教室。夕陽がキレイに差し込んできて、眩しさに思わず目を伏せる。前にいる万斉くんが怒った顔をしていて、ちょっとだけ怖くなった。…万斉くん、めったに怒らないのに。


「あ…あの…銀八に曲のことしゃべっちゃったの…怒ってる?」
「……それもあるが…怒っているのは、もっと別のことでござる」
「え…そ、それって?」
、今日は何の日か知ってるでござるか?」
「え?森林の日?」
「いや違うでござるよ。…今日は、拙者の誕生日でござる」
「え… うえェェェェ!」


きききききき今日が万斉くんの誕生日だったの!?衝撃の事実に顎ががくがくする。だだだだだって!付き合ったばっかりで、まだお互いの誕生日の話なんて全然してなかった!どうしよう、プレゼント買ってない!


「ご、ごごごごごめんんん!」
「いや、今回は仕方ないでござる」
「え、…怒ってないの?」
「怒ってはおらぬ。…それより銀八…あやつ、をねらっているのが見え見えでござるよ」
「え?ねら…」
「二度とひとりで銀八と話をせぬこと。いいでござるな?」
「…あの、万斉くん」
「なんでござるか」
「や…やきもち?」
「…………」


私の言葉に、万斉くんはそっぽを向いてしまった。ぎゅっと私の手を握って、当たり前でござる、なんていって。…その頬が、ほんのり赤くなっていたのを、私は見逃さなかった。


万斉君の何処が好きって?


私を、ちゃんと愛してくれているところだよ。


「ねえ万斉くん、プレゼント買いに行こう!」
「…ああ、そうでござるな」


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2010.08.13 friday From aki mikami.