次の時間。 俺は授業が終わると真っ先に立ち上がり、11組に向った。 11組に着いてクラスをのぞくと、一番目立つ場所(ど真ん中)に乾が座っていた。 「…乾」 ぎぎぎ、と機械のように振り返った乾は、やはり来たね、と言って怪しい笑みを浮かべた。 「さっきが手塚に会いに行ったのを見てね。で、が戻って来ないから…喧嘩でもしたんだろう?」 「………え?」 平然と、何でもないことのように言ってのける乾だが…今、大変なことを言わなかったか? ―――…が…戻ってない? 「本当か!」 「え、何がだい?」 「が戻ってないって…」 「あぁ。戻ってない。本当だよ。俺が勝手に病欠にしておいたけど… 乾の言葉を聞き終える前に走り出した。 …俺のせいか? 俺のせいなのか? 授業をさぼるほどに憤慨したのか? …それとも 傷ついたのか…? ◆◆◆◆◆◆◆ |