シングルス1の試合は、俺の負けで終った。俺は、の予感どおり。…肩を壊して、青学と氷帝の勝敗は、越前と日吉の補欠同士の対決に掛けられた。…越前は、必ず勝つ。ベンチに座って試合を見ていると、そう思える。


―――試合結果は、6-4。我が青学が勝利した。整列、礼のあと、わきあがる氷帝コール。そんな中、ベンチに戻った俺は、いるはずのない人物を目にした。


「……?」
「手塚…!」


…怒っている。今にも俺を引っ叩きそうな顔をしている。


「手塚、あんたはすぐに病い…


竜崎先生の言葉が、途中で止まった。…が、泣き始めてしまったから。歯を食いしばって、こらえようとしている。


「……」
「っ、て、づか…の、ばっ…」
「……手塚。その子も連れて、早く私の車にいくよ」


小さく溜息をついて、竜崎先生が言った。…俺は、涙を流すの肩を支えながら、先生の後ろをついていった。