私にとって、先生は遠くから見守ってくれているような・・・大切な存在。




*祈ることしかできない




最近の私は、かなりの高確率で先生と毎日話している。それはまぁ・・・用事もないのに職員室に行ったり、廊下であっては呼び止めたりしながら、ちゃくちゃくと点数(?)を稼いでいるからだ。
・・・だが、だからといって先生が振り向いてくれるわけではない。
そんな暗い考えをなんとか振り解こうと職員室へむかう。今日は珍しく、友達も一緒だった。




「失礼します」




そう言って一歩足を踏み入れると、教室とは違った涼しい空気。ずっとでも此処に居座りたい気持ちになった瞬間、私の大好きな声がかかった。




「どうした、
「!BJ先生!」




ついつい笑顔がいつもよりも明るくなってしまう。・・・まぁ其れ事態は悪いことでもないのだが、此処は職員室。とにかく平常心だ。ちなみに隣にいる友達は、私が先生を「教えかたがうまくて&声が素敵で」好きだと思っている。
其れ以上の気持ちであることは、本当に誰にも言っていない。だって、其れを言ってはいけない気がしたから。
・・・私と先生はやっぱり、教師と生徒だし。




「BJ先生!鈴木先生いらっしゃいませんか〜?」





そう訪ねたのは友達。するとBJ先生はあたりを軽く見回してから、「クラスのほうにはいなかったのか」と言った。
そんな先生があまりにも格好よくて、クラッときてしまう(笑)。すると、そんな様子を見ていた友達が血迷った一言を吐いた。




「いやぁ〜。やっぱり愛ですねぇ〜」
「「はぁ?」」




思わず二人でハモっちゃったじゃないか。心の中でつぶやく。
すると友達は口の端をあげて、私と先生を交互に見つめた。




ってば、先生のこといっつも"良い声だ"って言ってて。結構うるさいんですよ?」




こいつぶん殴ってやろうか・・・?なんて一瞬思ったけれど、先生がいる前だから其れはしない。私がちらりと先生を向くと、パチリと目があって微かに微笑まれた。




「そうか、ありがとう」
「っ、いえっ!」




顔が赤くなるのが、自分でも分かる。出来るだけ先生の顔を見ないようにして、友達に目を戻した。すると・・・またもやおかしなことを言い出した。しかも今度は、本当に殺したくなるような。




「でもの心は決まってるもんねぇ。何だっけぇ?ほら、あいつ。一組のさぁ」
「!」
「っ・・・ちょっとっ!」




私はたまらず、友達の腕を思い切り引っ張って職員室から飛び出る。後にBJ先生を残してきたことは分かっていたけれど、顔なんて・・・まともに見れそうになかった。あんなことをまさか、先生の前で言われるなんて。




「どうして職員室でああ言うこと言うのよっ!」
「え〜?べつにいいじゃん、名前だしてないんだから」
「・・・そうだけどっ」




心臓の音が、妙に五月蠅い。だってせっかく仲良くなれたのに・・・。






・・・これで全部、ぶち壊しだ。





・・・?」
「・・・ごめん、私・・・先に行くね」
これ以上はだめだ。一緒にいたら当たり散らしてしまいそうだから。でもだからといって、ふつふつと沸き上がる怒りと不安は、隠すことなんて出来なかった。











私に出来るのは、只先生に嫌われないかと、祈ることだけ。





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2005.07.29 friday From aki mikami.