Scene 05



「どうも」


と言って現れた浅葱さんの後ろに、私たちと同い年くらいの男の子が立っていた。


「…浅葱さん、その人は?」
「あぁ、これ?例の萩間。どうしてもっていうから連れてきた」
「は、はぁ…」
「君がちゃん?よろしくー!」


例の、私と似ているって言う萩間くん。なんだか浅葱さんより背が高くて、男っぽい?んだけど、すごく明るくて、せっかくの雰囲気が台無しなような…


「で、そっちが例の友達?」
「え、あ、はい!そうです!」
です、よろしくお願いします」
「あぁ、浅葱圭一郎です、よろしく」
「俺萩間靖之!ふたりともよろしくー!」
「…ってことで、文句は後でいいからとにかく行こうか」


と言って、こっちを見る浅葱さんの目は、笑ってるのに笑ってない。…うん、恐い。


「は、はい…」


あはは、と笑いながら答えて、伝票を持って席を立つ。すると、後ろから同じく席を立って歩いてきたに伝票をとられて、何故だかくすくす笑われた。


「ここは払っといてあげる。このあとおごりなんでしょ?」
「あ、うん…」
「それにしても、浅葱さんってすっごく格好いいね。私は萩間君の方が好みだけど」
「え?あ、うん…好きそう、だね」
「いいなぁ、あんな格好いい人が隣に住んでて」
「な、ちょっと、あんまりでっかい声でいわないでよっ!」


ふりかえって浅葱さんに意味深な視線を向けているを軽くド突いて会計まで連れていく。少し目があったときに浅葱さんが怒っていたような気がするけど…気のせい、だよね?