04.「多分、好きだよ」



は、オレのこと好きだよな?」


昨日から、ルフィはずーっとそればかり聞いてくる。最初のうちははいはいって聞き流していたけど、だんだんうっとうしくなってきて無視していたら本気で落ち込んだらしくて、今はキッチンでサンジの後ろをついて回っている。


私だって鬼じゃないんだから、普通に答えてあげたっていい。いいんだけど、昨日から本当にしつこくて、しかもお風呂とか見張りとか食事中とか、もう見境なしに聞いてくるものだから、こっちも変に意地になってしまった。で、現在に至る…というわけ。


事の発端はサンジがルフィに言った言葉らしく、お前ホントにちゃんに愛されてんのか的な内容だと思われる。普段のルフィならそれくらい当たり前だろ!って言うはずなんだけど(結構いつもやってるケンカだし…)、今回は何を思ったのか、ゾロが確かになー、なんて余計なことを言ったから、ルフィも躍起になっているらしい。ナミもロビンもすごく楽しそうで助けてくれないし、ゾロは昨日しかりつけたから話しかけてこないし…。そもそも、誰かに頼ろうって方が間違っているのかもしれない。


なんて思いながら、ゾロの三刀流がきれいに決まるのをぼんやり眺めていた。


いい天気だからと思って洗濯物を干していたらいきなり分けわかんない海賊団(名前はわすれた)がオレたちの航路をふさぐなとか言って襲ってきて、久々にやったろうと思ったら女の子はさがっててください、ってサンジに言われて、仕方なく私とナミとロビンは後ろで待機、というわけだ。


私も戦いたいなー。と思っていたら、向こうからルフィが手を振っているのが見えた。その後ろから敵が剣を持って襲ってくる。いやいや、前向いて前!と叫ぶよりはやくひらりと剣戟を交わすと、またずいぶんでかい声でオレのこと好きかー!と聞いてきた。


「そんなこといいから前向けー!」
「よくねー!一大事なんだー!」
「ばか、危ないって!」
「気になって戦えねーんだよー!」
「っ、危ない!」


相手のこぶしがルフィの腹に命中。まぁあれくらいならたいしたことないと思うけど、油断してたルフィは下に向けてまっさかさまにおちた。やめて、船に穴が開く…。あとでフランキーに直してもらわなくちゃ。


「どーなんだよ、ー!」


下に落ちたルフィは、それでもまだ私のほうを向いている。戦う相手も不憫だな…と少し思ったけど、それより今は早く前を向いてほしい。仕方なく、私はルフィよりでかい声で思い切り叫んだ。


「すーきーだーよーーー!……たぶん


ルフィがうおぉー!と叫んだのが聞こえて、それだけでみんなの動きが一時停止したのがわかった。あの後はたぶん、周りの敵を全員蹴散らしちゃうんだろうな…なんて予想を立ててながら、どっと疲れがきた体をその場に横たえた。


後ろでナミが、ちっさい抵抗!と大笑いしているのを聞きながら…。









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