10.「愛の言葉だけくれても嫌、あなたの心も欲しいんだよ」



「だぁー!わっかんねぇっ!!」


突然そう言ったので顔を向けると、そこには麦わら帽を首に引っ掛けて頭をがじがじかいているルフィが。


「何?どしたのルフィ?」


いつもなら私がそばにいればすぐ上機嫌なのに。なんか変なルフィ。


っ!お前何か欲しいもんないかっ??」
「………は?」
「だって!明日誕生日だろ!!」


真剣にそう言ってくれるルフィ。覚えててくれてるだけでも十分なんだけどなぁ。欲しいもの…。…それで悩んでくれてたんだね。


「なんでもいいよ?」
「本当か?なら肉でもいいのか?」
「や…肉はちょっと…」
「なんだよぅ、なんでもいいって言ったじゃんよぅ」


む、と膨れるルフィ。かわいいなぁ、もう。


「サンジみたいに好きだーvvっていいまくるのはウザイってナミに言われたし、ロビンに聞いたら俺の好きなもんって言うし…」
「そ…それで肉…?ってか私肉持っててもルフィにあげちゃうしなぁ…」
!なんでもいいから言ってくれよー!」


あ、お手上げらしい。ゴロン、と寝っ転がって、目を閉じてしまった。


「んー…じゃあね、ルフィ?」
「ん?」
「……好きって言って?」
「好きだ!」
「もっとちゃんと心込めて…ね?」
「心、込めて?」
「そ。サンジみたいに言葉だけだと、嫌いになっちゃうぞ?」
はサンジ嫌いなのか?」
「や…そうじゃなくて…」
「んーよくわかんねぇけどさぁ」


ちゅ。


「俺、ちゃんとお前のこと好きだかんな!」


にか、と笑うルフィが、やけにかわいい。それそれ、ルフィはその顔が一番だよ。


プレゼントなんていらない。あなたのキスだけでいい。…そうルフィに言ったら、一日中キスの嵐でした。









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