「あんたよくルフィと付き合ってられるわねー」
と唐突にナミが言ったので、食べようとしていたサンジ特性ショートケーキを落としそうになってしまった。
「わっ、あぶない! ナミ!いきなり何よもう!!」
「知らないわよ、あんたの不注意でしょ」
「ぶー」
少し形の変わったケーキを口に放り込む。相変わらずあまーくとろける絶品ケーキに幸せ気分になっていたら、ナミが怒ったようにねぇどうなのよ、と聞いてきた。
「なにがどうなの?」
「あいつよあいつ。ルフィ。いやになることないわけ?いっつも肉肉言ってるし、やかましいし、バカだし」
「…そうだけど。でも根っからのバカでもないよね」
「まぁ…」
ナミが困ったな、見たいな顔をするので、私はショートケーキを一口すくって差し出した。笑顔でありがとーvと言ったあとすぐにケーキを口に運ぶ。
「あー!ケーキ食ってるーー!!」
いきなり頭上から大声が聞こえたと思ったら、ルフィがどすんと降りてきて私の前に座った。ナミが話の最中なのに、と毒づいたけど、どうやらそれは聞こえていないらしい。ちょうだいちょうだい、と笑顔でおねだりしてくるので、仕方ないから半分きってそのままルフィの口に突っ込んであげた。
「あー!ルフィてめぇちゃんのケーキを!」
「ふぁっふぇふれふぁんふぁふぉん」
「ルフィ、食べてからしゃべろうね…」
ごくん、とケーキがのどを通る音が聞こえたあと、のどがつまったのか胸をどんどんたたいていたから紅茶を差し出して上げたら一滴残らず飲み干された。でもそのおかげでちゃんとのどを通ったらしく、だってくれたんだもん!とさっきよくわからなかった言葉を言い直した。
「仕方なくあげたに決まってんだろ!てめーはいつもいつもちゃんのものを…!」
「あー、サンジいいから。それより紅茶のおかわりくれる?」
「はい、ただいまーv」
…扱いやすい。
と思ったことは当分黙っておこう。ナミはやれやれと肩をすくめて、ルフィはいつの間にか残り半分も全部食べてしまった。あぁ、いちごくらいはのこしてほしかった…。フォークも使わずにかぶりついたお皿には、生クリームすら残っていなかった。
「最後の一口、いっただっきまーす!」
ルフィのひときわ大きな声が船内に響いた。なに?そう聞こうと思ったけど、同時にキスがふってきて無理だった。あまりにいきなりすぎて、ナミが唖然としているのが見える。
「なんだなんだ?!」
「どーしたんだ?」
ウソップとチョッパーがやってくると、ルフィはにし、と笑ってなんでもねぇと答えた後、二人の所に行ってしまった。嵐が去ったように静かになったその場に、サンジが紅茶をもって戻ってくる。
「…奪われちゃった」
茶化すようにナミが言うから、私はにやりと笑って言い返してやった。
「私は…奪われても…いいよ?」
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