久々の日本。しばらく事件の調査で忙しかったのでなかなか帰ってこれなかった。…僕は空港内を見渡した。一刻も早くとらえたい姿を探す。
「―――探っ!」
良く響く声が僕を呼ぶ。それから必死で走って、僕の首に絡みつく。
「お帰り、探っ」
「ただいま、」
彼女の腰をかかえて支えると、は更に強く僕に抱きつく。髪を撫でてやると、するっとした懐かしい指どおりに思わず顔が綻んだ。
「会いたかったぁ、探!」
「僕も…なんだけど、?」
「?」
「…皆が見てるけど、いいの?」
「―――、あっ!」
僕の言葉に、は慌てて僕から離れた。顔を真っ赤に染めて、俯く姿が相変らず可愛い。
「もう…わかってて何も言わなかったでしょ?」
「僕としてはどこにいても"そういうこと"は大歓迎だからね」
「―――、ばかっ」
軽く僕の肩を叩いて、頬を膨らませる。そんな表情が、どれだけ周りに影響を与えているか彼女はわかっていないらしい。
「冗談だよ。それより早く行かないと、一緒に過ごす時間がなくなるよ?」
「あ、ごめん! じゃあ早く行こう!」
警戒に歩き出すの後ろをついて行く。元気だけがとりえだといつも言っているだが、そんな彼女といるととても癒される。もしかしたら、彼女の元気を分けて貰っているのかもしれない。
「そんなに急いだら転ぶよ」
彼女の手を握り締める。隣にいてくれることが、こんなにも幸せだ。
1日だけでも、君と一緒に居られたらそれだけで幸せだよ
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