27.「君の人生に、私もお邪魔していいですか?」



「…相変わらず事件ばっかりなのね」


ずっとイギリスに行っていた彼が帰ってきたと思ったら、急に"会いたい"なんていわれて驚いた。穴場の喫茶店で顔をあわせれば、少しも変わった様子はない彼に少し安心する。


「えぇ。もちろん大学にもちゃんと通っていますよ?」
「あら、そうなの?私はてっきり大学サボって警察のお手伝いばっかりしてるのかと思った」
「…半分はあたりですね」
「あらあら。本当に相変わらず」


彼の言葉に、思わず笑みがこぼれた。"私の知っている白馬探"でいてくれることが、うれしい。


「―――それにしても」


紅茶カップを静かに置き、テーブルに頬杖をついた彼は、私をじっと見つめて話を始める。


「貴方はずいぶん学校とイメージが違いますね」
「あら、それはごめんなさいね。変な格好で」
「いえ、そういう意味ではなくて…むしろ、とてもきれいです」


…恥ずかしげもなくよくそんなことがいえるな。そう突っ込んでやりたかったけど、あまりの衝撃に言葉が出なかった。


「…バカ」
「照れなくてもいいんですよ?」
「照れてない!」


正直この状況で照れるなって方が、無理だ。そういうことを言われると、私もまた何か、うぬぼれたことを言いたくなる。…彼の人生の一部に、私も。


「…白馬」
「何ですか、さん」
「…貴方の帰りを…ずっと、待っていてもいい?」
「――――――えぇ、もちろん」


少し驚きながらも、そういって微笑んでくれた白馬。その瞬間顔が熱くなったのは、彼の笑顔がきれいだったせいか、それとも――――――









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#27
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