突然。
突然に呼び出された(それも部活中)から何かと思ったら、やたら深刻そうな顔をして、俯いて、ねぇ、あのね、と上目遣いで見てくる。
「勇人、あのね、私…」
ごもごも、とくちごもるが気になって気になって、…あぁ、やばいオレ、どーしよー!マジ腹いてぇ!耐えらんないかも…!いや、だめだ、こんなところでまたゲリなんて…
だって、だって遂に念願の…
「私、…勇人のことが…!」
こ、こここ、 告白かぁ~~~~~~!?
「…オッ 「なーんてね」
「へ?」
へえぇぇえええぇぇーーーーーーー!????
「いいいいいいい、いま、いま…!」
「なに~?何期待してたのよ、私が勇人を好きとか、そんなこと言うと思ったのー?」
ケラケラ、と笑いながらかばんを探ると、ノートを取り出して、俺に渡した。
「ノート返しにきたの。さんきゅーね!」
と、言った笑みの裏には、やーい、バーカ!の文字が隠れているハズ。いい加減にしないとオレ、グレるよぉー。
たぶん恋愛沙汰期待してた部の奴等にも、ランナーで来てた援団にも、笑われてる。笑ってないのはたぶん三橋くらいだ。あぁ、でもここはいっそ、すがすがしく笑ってくれたほうが…
「でもね」
凛とした声が響いた。笑っていた奴等が全員静まりかえる。はまるでそれを見越していたかのようにオレを引っ張って、耳元に唇を寄せた。
「告白は、相手にしてほしいの」
「っ!」
す、と俺から離れたは、バイバイ、と言いながら篠岡のほうに走っていった。
い…今のは…告白して来いって、そーゆーことなのか?自分からしないけど、されるのまってるって、…そーとってもいーのか?
「ぃよっしゃぁ!!」
叫んでガッツポーズ。篠岡の隣で、が目を細めて笑っていた。
2007.08.10 friday From aki mikami.