「田島ぁ!いい加減にしろっ!」
毎度毎度しつこい田島に蹴りを食らわせようとしたけど、さすが運動神経だけはいいもんで、ヒラリと交わされてしまった。
「コォラ!よけんなバカ!」
「やだよ~!だっての蹴りいてぇんだもん!」
「本気で蹴ってるから当たり前でしょ!?」
どうしてこんなやり取りをしてるのか。理由はセクハラ。詳しく言うとスカートめくりだ。田島は何故か私の、しかもよりにもよって短パンをはいてないときに限ってめくりにくる。それがあまりにピンポイントなもんだから、なんで私が短パンはいてないのわかるわけ?と聞いたことがある。そうしたら、後ろ姿が微妙に違うんだそうだ(こんなところに観察力使わんでいいっつーの)。
「なんなのよ、まったくもう!」
「のパンツは充電器なんだよぉ~!」
「なによそれ!ばっかじゃないの!?」
「バカじゃねぇよ!は男のロマンをわかってねぇ!」
「なぁ~にが男のロマンだ!人の嫌がることしておいて!大体、パンツが見たいんなら他の人のでもいいでしょ?」
「のじゃないとダメ~」
「な、なんでよっ!」
理由なんて聞いても、絶対許さないんだけど。それでも何となく興味がわいて、聞いてみる。照れくさくて後ろを向くと、田島の歩きがとまったのがわかった。
「…たじ
「好きだから」
私の呼び声を遮って、田島はそう言った。振り返ろうとして傾けた首が、中途半端に止まる。
田島は私との距離を詰めると、ひどい不意打ち、いきなり抱き締めてきた。肩にまわる大きくない、でも骨張ったごつごつした腕が、少しだけ強張っているのがわかる。
…なんか、かわいいぞ。
普段の田島からは考えられなくて、思わずドキドキしてしまった。
田島はゆっくりと私を離した。そんな風にも出来るんだね、って後ろを振り向こうとした…そのとき。
「っ!!!」
太ももがヒヤリとする。何度も味わったコレは…
め く ら れ た
「田島ぁ~~~~~!!!!!!」
この状況でまだやるかこのエロクソ野郎!
私は田島に蹴りを食らわせて、その場にたたき付けてやった。
(甘すぎると、心臓に悪いかも)
2007.06.24 saturday From aki mikami.