「ちゅう?」
「うん、ちゅー」


にか、と笑うりんちゃん。なにそれ…ちゅーしたいってこと…?


「な…なぜにちゅー…」
「だってかごめさまが、ちゅーしたら幸せになるって言ってたよ!」
「かごめちゃん…余計なことを……」
「ねぇ秋ちゃん、ちゅー!」
「わっ、りんちゃん…!」


りんちゃんが唇を尖んがらせて私に迫って来る。ぎゃあっ!ファーストキスは取らないでっ!なんて思っていたら…


ゴスッ


「~~~~~ッ!いったぁーい!!」
「…来い」


思い切り(だったら死ぬから違うだろうけど)殴った。殺生丸が殴りやがった!しかも乱暴に抱き上げ…いや、抱えられた。うわっ、おろせぇっ!


しばらくじたばたしていると、スト、と地面に足が付く。思いっきり睨んでやろうと思って彼を見上げたら、その瞬間。


ちゅ。


―――…思いっきり奪われました、ファーストキス。


「ちょ…なにすんのよばか!」
「りんなどにお前をやってたまるものか」
「子供と張り合うなっ!大体私はあんたのもんじゃないからっ!」
「ならば"私のもの"にしてやる」
「えっ…?わ、ぎゃあっ!」


…あぁ、神様。なんでこいつこんな力強いんですか。


結局あっさり"私のもの"にされてしまいました。べつにイヤなわけじゃないけど、強制すぎッ!