「……?」


さっきから、がじっと私を見つめて来る。


「何かついてるか?」
「おーい」


呼び掛けても返事なし、目も逸らさない。さて、どうしたら反応するか。少し悩んで見て、結局。


ちゅ。


「~~~~~~~~!」
「お、やっと帰って来たか?」
「せ、先生っ!」


ぎゅう。


「わっ、な、なんだ!」
「あのね!今先生に、ちゅうして欲しいって思ってたの!」
「…は?」
「だーかーらー、思ってたらしてくれたって話!」


なんだ、それで見つめてたのか?


「それならそうと、ちゃんと口で言えばいいだろう?」


―――いくらでもしてやるんだから。


そう耳元で呟いたら、は顔を真っ赤にした。それから小さな声で"もっかい"と囁いて、私にしがみついて来る。いつもは強気なが、こうなるとかわいいものだ。


「何度でも」


そういってもう一度口付けると、今度はの方が自分から口付けて来る。さぁ、このままいこうか?そう心の中で呼び掛けると、コク、とが頷いた気がした。