「どうにかして!」
「どうにかしてって…どうすれば…」
「とにかくこいつを剥がして!」
「え?…えっと…」


剥がしてっていったって、力ずくなんて無理に決まってるんだけど…でも!女たらしの白馬のことだから、きっと!


「白馬くん…話してあげてくれる?」
「…仕方ないですね」


そらきた!女の頼みはとりあえず断れない世界一の女たらし白馬探!


ようやく解放された私は、一目散に外に向かって駆け出した。だが、しばらく走ってようやく校門をくぐろうって時に、私は大変なことに気が付いてしまった。


…校門前に止まっている、あの車は…!


「ばあや!彼女を捕まえてくれ!」
「よ、良いのですか…?」
「いいから早く!」


その言葉を合図に、私の方に車がつっこんでくる。衝突されるんじゃないかっていう恐怖で横にそれた私に、すかさず白馬が飛んできてあっさり捕まってしまった。


「さあ、観念してください!」
「もう!離せ!」
「いやです。せっかく二人きりでいられる時間を無駄にするなんて絶対にいやです!」
「毎日毎日二人きりでしょう!?」
「そんなにいやですか、僕と二人きりが!」
「べつに二人きりがいやなんじゃないよ…!」
「じゃあ、何が不満なんですか?」


何が不満?そう聞かれて、私は思わず考え込んだ。


いやなところなんて一杯あるよ。嫌味なところとか、気障なところとか、女たらしなところとか、しつこいところとか。


でも、一番いやなのは…


> 「疲れる…」
> 「たらしは嫌いなの…」