「こ、小泉紅子!」
「あなたに呼び捨てにされる筋合いはないわ、」
「なによあんた…何しに来たのよっ」
「あら、助けに来てあげたのに…ずいぶんな言い方ね」
「え…?」
助けにきた?小泉紅子がそんなことをわざわざするだろうか。疑っていると、くす、と笑われた。
「信じてないようね。でもね、私は白馬君が貴方に言い寄るのが面白くないの。だって世界中の男はみんな私の虜なんですもの…」
「私とくっつくことがなくなれば、白馬も貴方の虜ってことね」
「そう言うこと。わかったら、今すぐここを出て、真っ直ぐ玄関に向かうのね。もうすぐ彼はここに戻ってくるわ。階段は東階段から降りたほうが見つかったときに逃げやすいからそっちを使うのね」
「ありがとう…恩にきるわ!」
「いいからはやく行きなさい」
私は後ろの小泉紅子に軽く一礼してその場を後にした。
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