「もう少し…私の気持ちも考えてよ」
「……考えてるよ。いつでものことを一番に」
「そうじゃなくて!私が今何を考えているのか、どう思っているのか、それを考えてっていってるの!」
「僕はエスパーじゃない。そんなに簡単に人の気持ちを読み取れるわけがないよ」
「…そうかもしれないけどっ」
「だから…」


ぐいっと引き寄せられる。気が付くと、白馬の腕の中にいる。


「…もっと、何を考えているのか教えてほしい」
「白馬…」
のためなら、なんでもするから」
「……ばか」


結局わかってないじゃない。やっぱり、私のためなら何でもするって、それは自己犠牲じゃない。私は、自己犠牲は嫌いなの。自分のために誰かが傷付くのは見たくないの。


でも、誰かにかばってもらうことが、とても心地いいのは事実。


これから少しずつ、教えていけばいいんだよね。私の考えとか、気持ちとか。


まだまだ、先は長いんだから。


Ending 5
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自己犠牲

探くんはあんまり恋愛とかに縁がなさそうな分、本当に好きな人のためなら簡単に自分を犠牲にしそうです。