しばらくかごめについて歩いていくと、しゃら、と錫杖の音が聞こえてきた。


「弥勒様!」
「おぉ、かごめさま。それに様も。どうかなさいましたか?」
「あのね、殺生丸を捜してるんだけど…どこにいるかしらない?」
「あぁ…殺生丸なら、さっき見かけましたよ。あっちに向かって歩いて行きました」


弥勒はそういいながら、川沿いの道を指差した。


「あの川沿いを、上流に向って真っ直ぐ進んで行きました」
「本当?」
「ええ」
「ありがとう弥勒様!」

はそう言うと、かごめの腕を振り切ってたっと走り出した。


「あ、ちゃん!」
「大丈夫!こっからは一人でいくよー!」


ただ川沿いを進んでいくだけだ。それに、これ以上かごめと一緒にいると、余計なことに気を取られそうだったから、と言うのもある。


は弥勒が指した方向を、迷わずに無心で進んでいく。そこに何ものかの影が見えて、期待をこめてそこにかけ出した。


その影は…


> 雲母?
> 楓ばあちゃん?