またしばらく森の中を走っていく間、はあることに気が付いた。


さっきから、周りの景色が変わっていない。同じところをグルグル回っている気がする。怖くなってその場に立ち止まると、途端真っ暗な闇にあたりが包まれた。


「っ!奈落!いるんでしょ!?」


こんなことが出来るのは奈落しかいない。は叫びながら、あたりを見回した。


「くくく、、よくわかったな」
「わかるに決まってるでしょ!?」
「そうか、私のことなら何でもわかるか…」
「気持ちわるいこといわないでよ馬鹿!」
「そう吠えるな。殺生丸の居場所を教えてやろうと言うのに」
「え…?」


姿の見えない奈落が、くくく、と笑う声が聞こえた。


「ほ、本当に教えてくれるの…?」
「あぁ。…わしの言うことを聞けばな」
「じょ、冗談じゃない!」
「なら、お前はずっとここから抜け出せぬままだぞ」
「っ…」


奈落の言葉を信用するか否か。は…


> 奈落なんて信用出来ない!
> 殺生丸の居場所が知りたい!