コンビニについてすぐ飲み物のコーナーにむかった。先に田島のコーラと阿部のポカリを籠に突っ込む。他のみんなもすぐに決まって、一気に10人分の飲み物が籠に放り込まれた。


「で、あの二人は何がいいって?」
「あー、小泉は午後ティーミルクだって」
「え、さんは?」
は何でもいいって」


午後ティーをとって隣の沖に渡す。後ろで西広が何でもいいって結構困るよね、と言ったので、オレはそうか?と返した。


「え、困るじゃん。買ってったけど飲めないとかだったら」
「あいつ嫌いなもんないしなー」
「そ、そーなの?」
「おー。ってか、困ったらカルピス買ってきゃいーんだよ。あいつんちっていつでも冷蔵庫にカルピスあるんだぜ」


カルピスをとって振り返ると、西広と沖が困ったような顔をしていた。ちなみに他の奴らは籠を持ってレジに並んでいる。


「え、何?」
「……泉ってさ、さんと…付き合ってんの?」
「付き合ってねーよ。 なんで?」
「だって… 仲、いいよな?」
「オレ、ずっと付き合ってると思ってた」
「オレも…」
「ってか、時間の問題って感じ?」


オレとが付き合う。そう言われても、イマイチピンと来なかった。


のことは好きだ。けど、付き合うなんて所まで話が発展したことはなかった。オレもあいつも、幼なじみとしてずっとやってきたから。


付き合いたいと思ったことがないわけじゃない。あいつが他のやつと話してるのを見て、イラつかなかったわけじゃない。だけど、あいつは多分オレのことを幼なじみ以上には見てない。オレが勝手に好きになって、今以上の関係を望んでるだけ。


「…そんなんじゃねーよ」


オレは沖から午後ティーを浮けとってレジに向かった。幼なじみっていいなーと言われたけど、そんないいもんじゃねーよ、と口に出さずに思った。…幼なじみじゃなきゃ、少なくとも気持ちを伝えるくらいは出来ていたのに。


今のこの関係が、崩れるのが怖い。臆病になっている自分に無性に腹が立った。